■六秒笑女 -Six Sec Girl-

中村:「尼崎ストロベリー」の反響もあり、次に書いた作品が「六秒笑女」なんですね?「六秒笑女」については、僕もアドバイスなど、させていただいて。

成海:はい。中村さんには、むちゃくちゃアドバイス頂きました。おかげさまで、作品にめっちゃ深みが出ましたよ!

中村:ステキブンゲイにて、毎週日曜日更新の公式連載中。これは、どういうきっかけで書かれたんですか。

成海:「尼崎ストロベリー」を出してから、少し経ってコロナ感染拡大の影響で世の中がステイホームになって。余儀なくステイホームされている皆さんに、何か自分ができることはないかと考えて、新作を書いて皆さんに楽しんでもらおうと思ったんですね。愉快な希望の物語にしようと「ギャグで世界を変える」というコンセプトで書きました。
当初はnoteというアプリで、web小説としてリリースしたんです。それが東京のアニメプロデューサーの目にとまりまして、面白いと言って頂いたんです。プロデューサーから、この小説をアニメ声優を使った「音コンテンツ」でリリースしないか、と提案頂きまして。これまで小説をナレーターが読んで音声で発表してる作品は、たくさんありましたよね。でも「連載」作品は聞いたことなくて、僕は面白いな、と思ったんです。それで、是非やらせてくださいということで、ひとつの小説を分割して、各話に起承転結をつけてリライトしたんです。

中村:なるほど。audiobook.jpで配信中なんですね?「六秒笑女」を読んだ時に、確かにオーディオブックと相性がいいな、と思いました。小説の中に、漫才みたいな掛け合いがありますよね。だから、なるほどな、と思ったんです。

成海:おお!嬉しい。ありがとうございます。声優さんは、保住有哉さん、井上ほの花さん、谷山紀章さん、井上喜久子さん、勝杏里さんなど、めっちゃ豪華なメンバーです。各ストーリーが10分から15分くらいで聴けるものにしていて、通勤電車で1話分を聴けるような構成にしてますので、毎話楽しんでいただければ。

中村:「尼崎ストロベリー」もそうですけど、笑いの素晴らしさ、笑いの持つチカラを描いた作品ですよね。僕もお笑いは好きなんですけど、これ相当難しいと思います。お笑いをモチーフにしたものは、やっぱり書けないというか、書くハードルは高いですよ。まず自分なんかには書く資格がないと思っちゃいます。

成海:中村さんほどの方だったら、サラッと書かれそうな気がしますけど。

中村:いやいやいや。だってこれ、くそ真面目なトーンでユーモアをだす、っていう話とは違うんですよ。「今から面白い話をしますよ」って言って、本当に面白い話を書かなきゃならない。演者の助けもないから、お笑い台本とも違いますし。

成海:実は「尼崎ストロベリー」をつくっている時に、幻冬舎の編集担当の方に「漫才台本をそのママ載せても大丈夫ですか? 本当に大丈夫ですか?」としつこいくらい確認されたのを覚えています。「面白い」ということを「面白い」として出すことは、高難度のことですよと。そう考えたら、僕、恐ろしいことにトライしてますね(笑)。

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