「最後の晩ごはん」シリーズなど、いくつものロングセラーを持つ小説家、椹野道流さんのエッセイ『晴耕雨読に猫とめし』の連載が、 2021年10月20日より小説投稿サイト「ステキブンゲイ」でスタートしました。

 毎週水曜に最新話が掲載予定。

 日々の小さなこと、過去にあった色々なこと、そして猫たちに囲まれた穏やかな日々をエッセイにして綴られるとのことです。

 椹野道流さんに、連載に至った経緯などをお聞きしました。

『晴耕雨読に猫とめし』作品URL

https://sutekibungei.com/novels/8fb67ecd-d05f-4d7f-a3e2-cdbd287b179a

なぜステキブンゲイ?

ステキブンゲイに連載をされることになった経緯を教えてください。

 以前より、ことあるごとに「エッセイが書きたいよう!」と言っていたところ、明正堂アトレ上野店の鬼瓦レッド氏から、「エッセイを書くなら中村航さんの『ステキブンゲイ』がいいのでは?」とご紹介いただきました。

 実は以前よりサイトをちょいちょい拝見しておりましたので、心の中では「やったー!」と小躍りしつつ、文面ではクールに「是非に」と仲介をお願いした……はずです。たぶん!

 入学試験代わりに初回のエッセイを提出し、「これならば」とOKをいただけて、とてもホッとしつつ、今は新入生の心境で若干緊張し続けています。

椹野さんと明正堂の鬼瓦レッドさんはYouTubeチャンネルでトークもされています


エッセイを書くことについて

初のエッセイとても楽しみにしておりますが、今回は小説ではなく、なぜエッセイなのでしょうか?

「物語を創る」ことは勿論好きですが、エッセイを書くときの、「何かをよく観察し、味わい咀嚼し、消化吸収し、自分の一部になったものを言葉に変える」という独特の作業もまた大好きなので、いつか挑戦してみたいとずっと思っていました。

 エッセイを書くことで、自然と観察眼が磨かれていくでしょうし、色んな角度からものごとを見る訓練もできるのではないかと。

 それは小説を書くためのトレーニングでもあると思うので、私にとって小説とエッセイは、それぞれ異なるジャンルというより、一部が重なり合った二つの円みたいなものです。


「日々の話をあれこれ」ご執筆いただけるとのことですが、全体的な構想などはありますでしょうか?

 全体的な構想というより基本方針といったほうがいいのかもしれませんが、「無闇に批判的、攻撃的にならない」こと、「逆張りをしない」こと、「受けを狙ったり誰かを啓蒙したりしようとしない」ことを心がけつつ、日々の暮らしの中で自然と目に留まったものや、心が動いたことがらについて、気負わず素直に綴りたいと思っています。

 それが結果として面白くなっていれば万々歳……と言いつつ、「面白い」のポイントはひとりひとり違うので、さて、どんな方にフィットするんだろう。

 不安ですがワクワクしています。

『晴耕雨読に猫とめし』作品URL

https://sutekibungei.com/novels/8fb67ecd-d05f-4d7f-a3e2-cdbd287b179a

著者プロフィール

椹野道流(ふしの みちる)

 2月25日、兵庫県生まれ。小説家。

 1996年、『人買奇談』で講談社の「第3回ホワイトハート大賞」のエンタテインメント小説部門で佳作を受賞し、翌年1997年に同作品でデビュー。同作に始まる「奇談」シリーズは、人気を集めロングシリーズとなった。

 1999年に『暁天の星 鬼籍通覧』でスタートした「鬼籍通覧」シリーズや、2005年にスタートした「貴族探偵エドワード」シリーズなど、多くのロングセラーを持ち、魅力的なキャラクター描写で読者の支持を集めている。

 2014年にスタートした、料理がテーマの青春小説でファンタジックストーリーが魅力の「最後の晩ごはん」シリーズは、芦屋市が主な舞台の人気作品。2017年にはシリーズ累計発行部数60万部を突破し、2018年にドラマ化された。

Twitter| @MichiruF

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