『人工島戦記 ――あるいは、ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかのこども百科』(橋本治) ホーム社
 発売:2021年09月24日 価格:10,780円(税込)

千州最大の都会である比良野市では、志附子湾を埋め立てて「人工島」を作る計画が着々と進んでいた。それを知った国立千州大学2年生のテツオとキイチは、「人工島? そんなのいらないじゃん」という思いだけで新しい反対運動を立ち上げる。大学で同好会を組織し反対運動が動き始めるが、話はやがて彼らの父母、祖父母、兄弟、近所の人々の人生にまで脱線し、街全体の歴史とそこで生きる人々の姿が浮かび上がっていく……。一昨年、惜しまれつつこの世を去った橋本治氏が、架空の地方都市を舞台に、この国の姿を描いた未完の大長編!! 500枚を超える「人名地名その他ウソ八百辞典」と、本作品の舞台である比良野市及びその周辺について著者自身が描いた「人工島戦記地図」も収録。

【著者プロフィール】

1948年、東京都生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。大学在学中よりイラストレーターとして活躍。1977年『桃尻娘』が「第29回小説現代新人賞」佳作入選。以後、小説、評論、戯曲、古典の現代語訳等幅広く活動する。1996年『宗教なんかこわくない!』で「第9回新潮学芸賞」、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で「第1回小林秀雄賞」、2005年『蝶のゆくえ』で「第18回柴田錬三郎賞」、2008年『双調 平家物語』で「第62回毎日出版文化賞」、2018年『草薙の剣』で「第71回野間文芸賞」をそれぞれ受賞。その他の著書に『おいぼれハムレット(落語世界文学全集)』『黄金夜界』など。2019年1月29日逝去。享年70歳。

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