メンタルを整え、ストレスを軽減させる「マインドフルネス」。その言葉はすっかり定着したといえますが、実際に毎日やっているという人は、どのくらいいるのでしょう。やってみるとわかりますが、気が散って十分も持たなかったり、それを日々の習慣にすることができなかったり、継続はかなり難しいといえるでしょう。
そこで今回は、できるだけ無理なくマインドフルネスに取り掛かるための、わかりやすい本をご紹介したいと思います。「Googleやマイクロソフトがやってるから」と、とりあえずマインドフルネスをやってみたけど挫折してしばらくやっていない方に、おすすめしたいです。サウナもいいけど、瞑想もいいですよ。
簡単に始められるマインドフルネスの本
『怒らないこと』などのベストセラーがある、アルボムッレ・スマナサーラさんが書いた『自分を変える気づきの瞑想法』は、とてもシンプルな瞑想についての本です。マインドフルネスでよくやる呼吸法の前に、「慈悲の瞑想」という心のなかで唱えるだけの瞑想から、手をゆっくり動かすといった、心を集中させるための基本的なことで実践しやすいです。これが個人的にはもっともやさしかったです。
つづいて、天外伺朗さんの『宇宙の根っこにつながる瞑想法』。天外伺朗さんは、ソニーでCDやAIBOの開発を手掛けていた技術者です。「ひふみの瞑想」という、息を吐きながら「ひい」「ふう」「みい」と数えていく、声を出すめずらしいタイプ。付録CDが付き。天外さんのレクチャーのあと、なぜかご本人によるケーナの演奏。それに合わせて息をしているとかなり深いところまでいきますが、ややスピリチュアルなので苦手な人には合わないと思います。
3つめは、エッセイなどたくさんの著書のある僧侶の小池龍之介さんの『「自分」を浄化する坐禅入門』。坐禅とありますが、他のマインドフルネスの呼吸法と同じような内容です。ただ、文章がとてもわかりやすく、エッセイとして読んでいても心が落ち着いてきます。呼吸に意識を集中するとはいうけど、具体的にどうするのというところを深く書いているので、これまでピンと来なかった人はこれも読まれてみると、しっくりくるかもしれません。
もっと深く理解したいなら
マインドフルネスの理論・哲学的なことが書かれた本もご紹介しておきます。ジョン・カバット・ジンさんの『マインドフルネスストレス低減法』は、マインドフルネスブームのきっかけとなった一冊。マインドフルネスがストレスを低減させる仕組みについて体系的に書かれているのはもちろんのこと、実践的なこと(ヨガのポーズなど)も書かれています。マインドフルネスの理解をより深めたい人は必読だと思われます。
最後に、ハーバード大学などで教鞭をとっていた社会心理学者ラリー・ローゼンバーグさんの『呼吸による癒やし』。前述のジョン・カバット・ジンさんが序文を書いています。マインドフルネスをより深く、ブッダにまでさかのぼって解説してくれます。とはいっても、宗教的すぎず科学的であり、ユーモアのある文体なので、抵抗なく読み進めることができます。マインドフルネスや瞑想について、根本的な思想や仕組みからわかりたいという方におすすめです。