『書楼弔堂 待宵』(京極夏彦) 集英社
 発売:2023年01月06日 価格:2,310円(税込)

舞台は明治30年代後半。鄙びた甘酒屋を営む弥蔵のところに馴染み客の利吉がやって来て、坂下の鰻屋に徳富蘇峰が居て本屋を探しているという。なんでも、甘酒屋のある坂を上った先に、古今東西のあらゆる本が揃うと評判の書舗があるらしい。その名は “書楼弔堂(しょろうとむらいどう)”。思想の変節を非難された徳富蘇峰、探偵小説を書く以前の岡本綺堂、学生時代の竹久夢二……。そこには、迷える者達が、己の一冊を求め“探書”に訪れる。――日露戦争の足音が聞こえる激動の時代に、本と人とのを繋がりを見つめなおす。約6年ぶり、待望のシリーズ第3弾!

【著者プロフィール】

1963年、北海道生まれ。初めて執筆した小説『姑獲鳥の夏』が編集者の目に留まり、1984年にデビュー。1996年『魍魎の匣』での「第49回日本推理作家協会賞(長編部門)」受賞にはじまり、1997年に『嗤う伊右衛門』で「第25回泉鏡花文学賞」、2003年に『覘き小平次』で「第16回山本周五郎賞」、2004年には『後巷説百物語』で「第130回直木賞」を受賞。以降も2011年に『西巷説百物語』で「第24回柴田錬三郎賞」、2022年『遠巷説百物語』で「第56回吉川英治文学賞」を受賞している。代表作に「百鬼夜行」シリーズ(長編・短編)、『嗤う伊右衛門』『ルー=ガルー』『南極(人)』など。

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