『1(ONE)』(加納朋子) 東京創元社
 発売:2024年01月11日 価格:1,870円(税込)

大学生の玲奈は、全てを忘れて打ち込めるようなことも、抜きんでて得意なことも、友達さえも持っていないことを寂しく思っていた。そんな折、仔犬を飼い始めたことで憂鬱な日常が一変する。ゼロと名付けた仔犬を溺愛するあまり、ゼロを主人公にした短編を小説投稿サイトにアップしたところ、読者から感想コメントが届く。玲奈はその読者とDMでやり取りするようになるが、同じ頃、玲奈の周りに不審人物が現れるようになり……。短大生の駒子が童話集『ななつのこ』と出会い、その作家との手紙のやり取りから始まった、謎に彩られた日々。作家と読者の繋がりから生まれた物語は、愛らしくも頼もしい犬が加わることで新たなステージを迎える。

【著者プロフィール】

1966年、福岡県生まれ。1992年『ななつのこ』で「第3回鮎川哲也賞」を受賞しデビュー。1995年に「ガラスの麒麟」で「第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)」を、2008年『レインレイン・ボウ』で「第1回京都水無月大賞」を受賞。主な著書にデビュー作から始まる〈駒子〉シリーズのほか、『掌の中の小鳥』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』『空をこえて七星のかなた』などがある。

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