もう12月も半ば。そろそろ「来年の話」をしても鬼は笑わないでしょう!
新しい年がはじまると、新しいエンタメ作品も続々登場しますが、毎年大きな注目を集めるのは「NHK大河ドラマ」ではないでしょうか。1年に渡り、歴史上の偉人や出来事などをテーマにひとつの「時代」を描き出す連続ドラマです。
2023年の大河ドラマは、戦国時代を終息に導き、後に260年以上にわたる江戸幕府を開いた天下人・徳川家康を、「嵐」の松本潤さんが演じる『どうする家康』。
今回は、大河ドラマのスタート目前に相次いで刊行となる、まさに「トレンド」候補といえる「徳川家康」をテーマとした新刊をご紹介いたします!
最初にご紹介するのは、その大河ドラマのノベライズ作品『どうする家康 一』(NHK出版/発売中)です。
日本の歴史上で最も有名な人物のひとりと言っても過言ではない徳川家康は、正直なところ映像や小説などあらゆるエンタメ作品で描かれ尽くしている感があります。ところがその脚本を担当するのが大河ドラマ初挑戦の古沢良太さんであることで、一気に期待値は高まりました。
『ALWAYS 三丁目の夕日』『リーガル・ハイ』『コンフィデンスマンJP』など、シリアスからコメディまで振り幅の広い作品を手がけてきた古沢さんがどんな家康を描くのか? 三河の小国に生まれた少年が、降りかかるピンチの連続を乗り切って乱世を治める大将軍へ。史実にある徳川家康の生涯を、どのような切り口で見せてくれるのか? 放送開始に先がけて、その脚本を基に木俣冬さんが書き起こした本書でそれが明かされます!
続いてご紹介するのは伊東潤さんが「父」である徳川家康を描いた『一睡の夢 家康と淀殿』(幻冬舎/12月14日発売)です。
時は「大坂の陣」の数年前――。いまだ盤石でない徳川幕府を案じる老齢の家康は、二代将軍である息子・秀忠を揺るぎない天下人にするための体制づくりを急いでいた。
一方、豊臣秀吉の側室であり、秀吉亡き後、愛息・秀頼の後見人として豊臣家の実験を握っていた淀殿は、豊臣家の威信凋落を肌身で感じ焦燥感を募らせていた。宿命と因縁に翻弄され、矜持と野心の狭間で揺れ動く二人は、やがて雌雄を決する最期の戦いに、それぞれ活路を見出そうとするが……。
先に尽きるのは家康の寿命か、豊臣家の命脈か。父であるが故の、母であるが故の苦悩と喜び。親が子に寄せる想いが時代を動かす。まったく新しい「家康像」を描き出した超本格歴史小説です。
徳川家の存続か、それとも息子の命か、青年武将・徳川家康、究極の選択! 最後にご紹介するのは家康と嫡男、悲劇の戦国ドラマ『継ぐ者』(KADOKAWA/12月16日発売)です。
織田信長が今川義元を討ち取った桶狭間の合戦の後、松平元康は今川家からの独立を目論む。名前を家康と変え、妻の瀬名と人質になっていた嫡男・竹千代を今川家から取り戻し、竹千代を信長の娘と結婚させて織田家と同盟を結んだ。さらに姓を徳川と変えた家康は、元服して名を信康に改めた嫡男を岡崎城に残して東進し、遠江を攻略する。
織田は東へ、徳川は西へ。徳川家の前途は洋々かと思われたが……。
戦国時代末期の家康と嫡男・信康の間に起こった悲劇を上田秀人さんが描きます。
いつもとはちょっと趣向を変えて、2023年のトレンド予測のような形でお送りした今回。さて、来年は「家康ブーム」が到来するでしょうか? NHK大河ドラマ『どうする家康』は2023年1月8日より放送開始予定です。