『私の小説』(町屋良平) 河出書房新社
 発売:2024年07月18日 価格:1,980円(税込)

母とのふたり暮らしが耐えられず家を出た私は、コロナ下で喜寿の誕生日を控えた母のことを書き始めるのだったが、小説だからといって事実以上に書きすぎてしまう。私は、いつからこんなに「文学」くさくなったのか? 子どもの頃から自分に自信が持てなかったから、認識が歪んでいるのか?(「私の批評」)――芥川賞をとってなお自分に自身が持てない作家が、この世界を言葉で立て直す。「第48回川端康成文学賞」受賞作「私の批評」を含む〈新しい私小説〉連作集。

【著者プロフィール】

1983年、東京都出身。2016年に『青が破れる』で「第53回文藝賞」を受賞しデビュー。2019年『1R1分34秒』で「第160回芥川賞」、2022年『ほんのこども』で「第44回野間文芸新人賞」、2024年に本書収録の「私の批評」で「第48回川端康成文学賞」を受賞。その他の著書に『しき』『ショパンゾンビ・コンテスタント』『坂下あたると、しじょうの宇宙』『ふたりでちょうど200%』、近著に『生きる演技』『恋の幽霊』などがある。

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