『錠剤F』(井上荒野) 集英社
 発売:2024年01月10日 価格:1,980円(税込)

バイト先のコンビニに現れた女から、青年は「ある頼みごと」をされて――「ぴぴぴーズ」、男を溺れさせる、そんな自分の身体にすがって生きるしかない女は――「みみず」、刺繍作家の女は、二十数年ともに暮らした夫の黒い過去を知ってしまい――「刺繍の本棚」、女たちは連れ立って、「ドクターF」と名乗る男との待ち合わせに向かうが――「錠剤F」……ほか、あなたの孤独を掘り起こす、著者史上最もグロテスクで怖い10の物語から成る、最高精度の短編小説集。

【著者プロフィール】

1961年、東京都生まれ。1989年、「わたしのヌレエフ」で「第1回フェミナ賞」を受賞し、1991年に短編集『グラジオラスの耳』を発表後、一時期活動を中断。2001年に『もう切るわ』で再開後、2004年に『潤一』で「第11回島清恋愛文学賞」を受賞し、2008年には『切羽へ』で「第139回直木賞」を受賞。その後も2011年『そこへ行くな』で「第6回中央公論文芸賞」、2016年に『赤へ』で「第29回柴田錬三郎賞」、2018年に『その話は今日はやめておきましょう』で「第35回織田作之助賞」を受賞している。その他の著書に映画化された『あちらにいる鬼』や、『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』『小説家の一日』、近著に『照子と瑠衣』『僕の女を探しているんだ』などがあるほか、1月19日には新刊『ホットプレートと震度四』も刊行予定。

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