マンガ配信サービス「ステキコミック」発の、話題のピクチャーノベル・レーベル「STORYTOON」。60秒で読める業界初の新フォーマットのこのSTORYTOONは、イラスト×小説で描かれる、縦スクロールの新感覚ピクチャーノベルです。スマホでの閲覧に最適化させた新しい形で、文章による物語表現とマンガのような読みやすさを両立。世界観や情景をイメージしやすいフルカラーイラストや、ページ送りなく1話分を一気に読める縦スクロールの画面構成から、次の展開が徐々に見えてくるワクワク感を味わうことでき、作品への没入感がUPします!

すでに多数の作品が公開されているこのSTORYTOONで、東京・渋谷のスクランブル交差点ではじまった不思議な恋を描く『キスしたら忘れる恋』(イラスト:まかろんK)で、ストーリーを担当しているareaさんにお話を伺ってみました。

互いのことは知らないが、どうしてか相手に惹かれてしまう――そんな2人の恋

――まず最初に、この『キスしたら忘れる恋』がどのような作品か、内容をお教えいただけますでしょうか。

タイトルの通りですが、キスをしたら互いのことを忘れてしまう大学生の恋愛物語です。

気が付くと手を繋いでいる2人。互いのことは知らないが、どうしてか相手に惹かれてしまう――そんな2人の恋を描きました。

――作品が生まれたきっかけを教えていただけますでしょうか。

中村航先生から「キスをしたら忘れる男女の話」が面白いのではないかとアイデアの提案を頂き、ストーリーやキャラクターを練りました。2人の距離が近づいてほしい、でもキスをしてしまったら忘れてしまう、そんなドキドキが感じられる物語になるように考えました。

――本作は、新たなフォーマットのピクチャーノベル「STORYTOON」として発表されたわけですが、最初に依頼があったときのお気持ちを教えてください。また実際に出来上がった作品をご覧になった感想はいかがでしたでしょうか。

面白い試みだなと思いました。以前から小説でもマンガの様に手軽に読みたい、と思っていたので、是非やってみたいと思いました。

出来上がった作品を見ると、するすると流れるようにイラストと文章が入ってきて、1話の分量もサクッと読めて、これだ! と思いました(笑)。

キャラクターの表情や感情が視覚的になることによって、セリフに臨場感や深みが生まれる

――作家の立場から、STORYTOONというフォーマットの魅力や面白みはどんなところでしょうか。

形としては「文章とイメージイラスト」なんですが、両者を上手く融合させた見せ方で、互いの魅力を引き出している点が面白いと思いました。

例えば、いきなりメインビジュアル全体が出てくるのではなく、本文の描写に合わせて部分的に小出しに、文章のフレーズに絡めるように配置されています。それが縦スクロールで段々と読み進めていくにつれ、全体が明らかになるので、より印象的になっているように感じます。

『キスしたら忘れる恋』第1話より
『キスしたら忘れる恋』第1話より

また、キャラクターの表情や感情が視覚的になることによって、セリフに臨場感や深みが生まれるように感じています。

『キスしたら忘れる恋』第2話より

文章だけでは伝わりにくい、キャラクターの細かい息吹を感じトキめいてください!

――このフォーマットを前提に、執筆時に意識している点はありますか。

実際文章を書いてみると、書きたいことが溢れてしまい、つい長くなってしまうのですが、手軽に読んでもらうことを意識して、ダイレクトに読者に伝わるような文章を心掛けています。

また、1話ごとに分かれているので、続きが読みたくなるよう、マンガ的な“ヒキ”を作るようにも意識しています。

――創作活動での今後の目標はありますでしょうか。

小説、STORYTOONなどのフォーマットに限らず、たくさんの人に楽しんでもらえるような物語を作り出せるようになりたいなと思っています。

――最後に読者に向けて、メッセージをいただけますでしょうか。

本作はまかろんKさんの素晴らしいイラストがとても魅力的で、私自身も毎回トキめいています。是非みなさんも文章だけでは伝わりにくい、キャラクターの細かい息吹を感じトキめいてください! そして、キスをしたら互いのことを忘れてしまう2人の恋を見届けて欲しいと思います。

STORYTOONは始まったばかりで、もちろん『キスしたら忘れる恋』がオススメですが(笑)、ほかにも魅力的な作品がたくさん公開されていますので、是非読んでみて欲しいです。それによってSTORYTOONというレーベル自体が盛り上がるといいなと思っています。

また、気軽に個人でも作れるフォーマットだと思うので、作品制作にも挑戦してみてはいかがでしょうか。

『キスしたら忘れる恋』

気が付いたら、渋谷のスクランブル交差点で知らない人と手を繋いでいた。この人は、誰なんだろう。何かが始まる音がした。――『ステキコミック』にて、現在第4話まで公開中。

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著者プロフィール

area(アレア)

ものづくりが好きでSEの傍ら、文学フリマ等で執筆活動を続ける。2023年より“声”と“物語”を楽しむメディアミックスプロジェクト「Voice&Storiesボイスト」にて脚本協力。

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