『かわいないで』(加納愛子) 文藝春秋
 発売:2024年05月13日 価格:1,650円(税込)

高校の日本史の授業中、千尋は必死に耳を研ぎ澄ます。隣席の香奈美がひそひそ声で後ろの席のふたりに語る、昨日のデートの一部始終に。千尋がどうしても聞きたいのは、聞き手の透子から香奈美に放たれる「かわいないで(笑)」という絶妙な相槌の一語なのだ。(「かわいないで」)――誰もが覚えのある、教室内で織りなされる関係の機微を見事に浮かび上がらせる表題作に、2022年に発表した「黄色いか黄色くないか」を併録した中編小説集。

【著者プロフィール】

1989年、大阪府生まれ。2010年に幼馴染の村上愛とお笑いコンビ「Aマッソ」を結成。Aマッソのネタ作りを担当。2020年に刊行した初のエッセイ集『イルカも泳ぐわい。』が発売即日重版となり話題を集め、現在もロングセラー。その他の著書に『これはちゃうか』『行儀は悪いが天気は良い』がある。

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