『名探偵の有害性』(桜庭一樹) 東京創元社
 発売:2024年08月30日 価格:1,980円(税込)

かつて、名探偵の時代があった。ひとたび難事件が発生すれば、どこからともなく現れて、警察やマスコミの影響を受けることなく、論理的に謎を解いて去っていく正義の人、名探偵。そんな彼らは脚光を浴び、黄金時代を築き上げるに至ったが、平成中期以降は急速に忘れられていった。……それから20年あまりの時が過ぎ、令和の世になった今、YouTubeの人気チャンネルで突如、名探偵の弾劾が開始された。その槍玉に挙げられたのは、名探偵四天王の一人、五狐焚風だ。「名探偵に人生を奪われた。私は五狐焚風を絶対に許さない」と語る謎の告発者は誰なのか? かつて名探偵の助手だった鳴宮夕暮――わたしは、かつての名探偵――風とともに、過去の推理を検証する旅に出る。

【著者プロフィール】

1971年、島根県生まれ。1999年に「夜空に、満点の星」で「第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門」佳作を受賞、『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーティアン』と改題の上デビュー。『GOSICK―ゴシック―』『推定少女』『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』などライトノベル・ジャンルで活躍しながら、2005年の『少女には向かない職業』で一般文芸に進出。2007年に『赤朽葉家の伝説』で「第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)」を受賞し、同年『私の男』で「第138回直木賞」を受賞。その他の著書に『小説「火の鳥」大地編(上・下)』『東京ディストピア日記』(エッセイ集)、『少女を埋める』『紅だ!』、近著に『彼女が言わなかったすべてのこと』などがある。

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