『死者にこそふさわしいその場所』(吉村萬壱) 文藝春秋
 発売:2021年08月25日 価格:1,870円(税込)

セックスの回数を記録する愛人。徘徊癖のある妻を介護する老人。アパートのドアが開きっぱなしの裸男。朝どうしても起きられなくなってしまった女。困った人の面倒を見たがる聖職者――そんなどうしようもない人たちばかりが暮らす折口山町。その町はずれの植物園に、彼らは、吸い寄せられるようにやってくる……。怖いものほど見たくなる、駄目なものほど癖になる、読む者の歪んだ好奇心を刺激する、不思議な町の物語。

【著者プロフィール】

1961年、愛媛県生まれ。1997年、「国営巨大浴場の午後」で「第1回京都大学新聞社新人文学賞」受賞した後、2001年に「クチュクチュバーン」で「第92回文學界新人賞」受賞しデビュー。2003年「ハリガネムシ」で「第129回芥川龍之介賞」を受賞。また2014年刊行の『臣女』が「第22回島清恋愛文学賞」を受賞している。その他の著書に、『虚ろまんてぃっく』『生きていくうえで、かけがえのないこと』『出来事』など。

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