『ばにらさま』(山本文緒) 文藝春秋
 発売:2021年09月13日 価格:1,540円(税込)

昨年、『自転しながら公転する』で7年ぶりに小説を発表した著者の最新作は、「ステレオタイプと呼ばれる女の子たちにも、内面にはその人しか持つことのない叫びや希望があるはず」という想いをテーマに描かれた、痛くて、切なくて、引きずり込まれる物語でまとめられた短編集だ。表題作のほか、爪に火をともすような倹約生活を送る主人公を描いた「わたしは大丈夫」、余命短い祖母がヴァイオリンとポーランド人の青年をめぐる若き日の恋を語る「バヨリン心中」など全6編を収録。

【著者プロフィール】

1962年、神奈川県生まれ。1987年に「コバルト・ノベル大賞」佳作受賞作『プレミアム・プールの日々』でデビュー。少女小説での活躍を経て、1992年の『パイナップルの彼方』から一般文芸に進出。1999年、『恋愛中毒』で「第20回吉川英治文学新人賞」受賞。2001年には『プラナリア』で「第124回直木賞」を受賞。2021年『自転しながら公転する』で「第27回島清恋愛文学賞」を受賞。その他の著書に『落花流水』『ファースト・プライオリティー』『なぎさ』など。

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