『新しい時代への歌』(サラ・ピンスカー) 竹書房
 発売:2021年09月15日 価格:1,650円(税込)

テロと感染病の影響で、ひとびとが直接会う機会は激減した。観客を入れたライブなどは参集規制法によって禁じられている。しかし仮想空間で行われるライブのチケットを手に入れたことをきっかけに、ローズマリーの人生は大きく変わっていく……。コロナ禍の現在を舞台としたかのようなこの作品が、2019年の9月に発表されていることには驚きを隠せない。自らもミュージシャンとして活動する著者が、他人と接触することがなくなった時代、禁止されてもなおライブの熱狂を求めるひとびとを描き2020年度ネビュラ賞長篇部門に輝いた音楽SFの傑作。

【著者プロフィール】

1977年、アメリカ・ニューヨーク生まれ。2012年ごろから執筆活動を始め、多数のSF短編小説を発表、複数年にわたってSF関連の文学賞にノミネートされる。2019年に刊行された初の短編集『Sooner or Later Everything Falls Into the Sea』が「フィリップ・K・ディック賞」を受賞。同年9月に発表した初の長編小説『新しい時代への歌』が2020年度の「ネビュラ賞(長篇小説部門)」を受賞した。本年5月には最新作『We Are Satellites』が刊行されている。また3枚のアルバムをリリースしツアーを行うミュージシャンでもある。

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