江戸から遠く離れた神生島。漁業を生業とするその小さな島の中で、特別な家系・一ノ屋の血筋に連なる一族が生きた150年を全3巻で描く、貫井徳郎さんの最新小説『邯鄲の島遥かなり』(新潮社)。8月26日に刊行された「明治・大正編」となる上巻に続き、この9月28日には「戦前編」となる中巻が発売されます。
現代の悪と人間の業を見つめる透徹した視線、巧緻な語りの果てに待ち受ける驚愕と感動の結末――。読者を驚かせ続けてきたミステリ作家である貫井さんが、自ら雑誌インタビューで「全く貫井徳郎らしくない読後感のはず」と語る本作。完結となる「戦後編」である10月29日発売予定の下巻までの壮大なボリュームで、明治維新から現代まで150年間の日本を、架空の島に託して物語るこの一大サーガは、全く新しい貫井ワールドを見せてくれるでしょう。

【著者コメント】

小説家にとって一生に一度の作品があるなら、ぼくの場合はこの『邯鄲の島遥かなり』がまさにそれです。ぜひ読んでください。こんな面白い小説の作者になれて、本当に幸せです。

『邯鄲の島遥かなり(上)』(貫井徳郎) 新潮社
 発売:2021年08月26日 価格:2,695円(税込)

明治維新直後、神生島にイチマツが帰ってきた。島で一番の名家の跡取り、一ノ屋松造。神か仏のように人間離れした美貌のイチマツに、島の女たちは例外なく魅入られていく。イチマツの子供には、不思議なことに共通の徴が、身体のどこかにあった。そして、子供たちの子供たちにも、同じ徴が――。上巻には≪7つの物語≫を収録。​

『邯鄲の島遥かなり(中)』(貫井徳郎) 新潮社
 発売:2021年09月28日 価格:2,585円(税込)

栄えつつある神生島に、容赦なく戦争の足音が近づく。島の一族の150年を描く驚異の大河小説、波乱の第2巻! 一ノ屋の流れを汲む一橋産業は隆盛を誇り、島の人々の暮らしも少しずつ豊かになっていた。初の男子普通選挙が行なわれ、曰くありげな少女が一橋家を訪れる。火口への投身心中の流行を奇貨に、本土からの観光客も増えた。そうした人々の営みと繁栄の裏側で、平和な島にも戦争が影を落とし始めていた――。

【著者プロフィール】

1968年、東京生まれ。1993年、「第4回鮎川哲也賞」の最終候補作『慟哭』でデビュー。本格ミステリとしてのトリックを執筆の中心に据えながら、さまざまな分野や手法に挑んだ意欲的な作品を、次々と発表している。2010年、『乱反射』で「第63回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)」、『後悔と真実の色』で「第23回山本周五郎賞」を受賞。近著に『悪の芽』『罪と祈り』など。

※本稿は、下記のプレスリリースを参考に作成いたしました。
150年の時、人々の営み。空前絶後、驚異の大河小説全3巻!貫井徳郎『邯鄲の島遥かなり』(上・中・下)本日8月26日より、3か月連続刊行スタート!|株式会社新潮社のプレスリリース

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