全世界累計200万部を突破したベストセラー『世界から猫が消えたなら』を2012年に刊行して以来、『億男』『四月になれば彼女は』『百花』など話題作を次々に発表し続けてきた川村元気さん。そんな川村さんが作家としての新境地に挑んだ2年半ぶりの小説『神曲』(新潮社)が11月18日に刊行されました。

『神曲』(川村元気) 新潮社
 発売:2021年11月18日 価格:1,705円(税込)

【作品概要】

小鳥店を営む檀野家の穏やかな日常は、ある日突然終わりを告げる。小学生の息子が通り魔に殺されるという凄惨な事件によって――。「息子さんのために、歌わせてください」。悲しみに暮れる檀野家に、不思議な聖歌隊がやってくる。訝しむ父をよそに、母と娘は、歌うことによって次第に心を取り戻していくが……。次々と明かされる家族3人の秘密。ラスト20ページの戦慄。そして、驚くべきフィナーレ。震えるほどの感動が待つ、著者渾身の飛躍作です。

【作家や書店員からも絶賛の声、続々!!】

作家の白石一文さんは本作について「センスだけでは描けない世界に挑んだ作者の覚悟に驚かされる」とコメント。作家・中島京子さんも帯にコメントを寄せるほか、本のプロである全国の書店員からも、早くも多くの驚嘆と感動の声が届いています。
きっと誰もが、信じられる何かを欲している。今、私たちに必要な小説がここにある。(郁文堂書店庭瀬店・藤原郁子さん)
愛する家族の心を何よりも優先した人たちの物語に、思わず涙した。果たして自分はこのようなことができるだろうかと、深く考えさせられた。(みどり書房白河店・矢野隆子さん)信じれば自分が傷ついてしまうかもしれない。そう思って世界を閉ざしてしまう場面は少なくないでしょう。一歩進むことに迷ったときに読む本だと思いました。(宮脇書店越谷店・加藤克宜さん)大切な家族を失った時に何を心の支えとするのか。信じることについて深く考えさせられる内容でした。ラストシーンの急展開には思わず鳥肌が立ちました!(本のがんこ堂石山駅前店・西澤穂香さん)形のないものを信じるという行為は、神や仏だけとは限らない。心の中が見えなくても、人は互いを信頼したり愛したりするのだから。そんなことに改めて気づかされた。この小説を読み終えた後の感動は本物。こういう気持ちを大切にしたいと思った。(くまざわ書店新潟西店・大谷純子さん)

【著者コメント】

このたび小説『神曲』を11月に刊行することになりました。2年半ぶりの小説となります。この数年間、「目に見えないけれども、そこにあるもの」を、小説というかたちで描いてみたいとずっと願っていました。神や仏、心や魂、そして愛。「目に見えないけれども、そこにあるもの」に強く惹かれ、時に盲信してしまうのはなぜなのだろう。とある神を信じた妻と、その夫。信心と不信のあいだで揺れる娘。3人の目線を交差させながら「神の正体」を描く物語。その構想を尊敬する作家に話したところ、「川村くんは信仰を描きたいのではなく、それを“信じられない”ということを描きたいんだよ」と言われたのです。そのとき、今の自分が「何も信じられない」と思いながら生きていることに気づきました。一方で「何かを信じたい」と強く願っていることも。自分が描くべき小説のかたちが、はっきりと見えた瞬間でした。その後、2年半かけて『神曲』を書いてきました。奇しくも正体不明のウィルスに世界が席巻され、インターネットに顔の見えない悪意が蔓延る時代となっていきました。書きながら苦しみ抜いて、最後に微かな光のようなものを感じながらペンを置きました。そのとき見えた景色が、本作の表紙となる川内倫子さんの写真のような光景でした。この不信の時代に「信じる」ことを描いた本作が、ひとりでも多くの読者に届き、微かな希望となることを願ってやみません。

【担当編集者のコメント】

稀有な物語の紡ぎ手である川村元気さんが、世界が揺れ動く今、テーマに選んだのは「不信の時代に、目に見えないものを信じること」でした。未知のウィルス、SNSに渦巻く悪意、他者とのあいだに感じる壁。鳴り響く美しい旋律、人とのつながり、愛と、心。どれも、目には見えないけれど、たしかにそこに「ある」はずのものです。この小説は、ある日突然息子を喪い、地獄に突き落とされた家族三人の物語を通じて、「目には見えないもの」の輪郭をじわじわと浮かび上がらせ、そして読む人にも静かに問いを突きつけてきます。あなたは、信じますか。信じるに値するものが、この世界にあると思いますか、と。そして、気づけば怒涛の展開に巻き込まれ、翻弄されています。三人に次々と降りかかる出来事に、心の中で祈り、叫び、半ば懇願するような気持ちで読み進めた先、ラストに待ち受けるものとは――。連載の最後の原稿には、打ち合わせでも一度も出ていなかった展開とシーンが描かれていて、読みながら鳥肌が立ったのを憶えています。読み終わった後もしばらく、さざ波のように、静かな心の震えが収まりませんでした。ああ、まさか、こんなところに連れてこられるとは……!!物語に存分に振り回されたあと、読後もじんわりと広がるこの心の波紋、心が痺れてしばらく動けなくなるようなこの余韻こそが、小説を読む醍醐味であると思います。それをぜひ、お読みいただいた皆さんと共有できたら嬉しいです。

【著者プロフィール】

1979年、神奈川県生まれ。『告白』『悪人』『モテキ』『君の名は。』『怒り』『竜とそばかすの姫』などの映画を製作。2011年、優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。2012年、初小説『世界から猫が消えたなら』を発表。同作は21カ国で出版され累計200万部を突破。2018年、初監督作品『どちらを』がカンヌ国際映画祭短編コンペティション部門に出品される。主な著書に小説『億男』『四月になれば彼女は』『百花』など。2021年には初の翻訳本『ぼく モグラ キツネ 馬』が刊行されている。

※本稿は、下記のプレスリリースを参考に作成いたしました。
『世界から猫が消えたなら』『四月になれば彼女は』『百花』の川村元気が贈る2年半ぶりの長編小説『神曲』発売決定!|株式会社新潮社のプレスリリース

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