『幾度めかの命』(暖あやこ) 新潮社
 発売:2022年02月18日 価格:2,420円(税込)

寿命を国家管理の下に置く日本。ここでは肉親の余命を生前贈与することができる。そして残された寿命を譲る場に、国家資格者「保管士」として臨場する私。――母は私たち姉妹のどちらに寿命を贈るつもりなのか決して明かさない。女性問題から家を出た父は、再会した直後から妻や子供に「譲命」を迫られていると漏らす。遺産相続問題よろしく、社会の人間関係が奇怪な形に変わっていく……。保管士としての使命感で事故現場を駆け回る私に忍び寄る悪意。異色ファンタジー長編。

【著者プロフィール】

1978年、東京生まれ。脚本家・放送作家として活動。2010年には脚本協力として参加したドラマ『一年半待て』が「第48回ギャラクシー賞」奨励賞を受賞している。2015年に『恐竜ギフト』で小説家デビュー(井上綾子名義)。その他の著書に『遠く海より来たりし者』『14歳のバベル』、近著に『さよなら、エンペラー』がある。

(Visited 197 times, 1 visits today)