『タラント』(角田光代) 中央公論新社
 発売:2022年02月21日 価格:1,980円(税込)

1999年、大学進学のために上京し、学生生活の中で経験した社会貢献活動のうえに、輝かしい未来を積み上げていくはずだったみのりは、大きな挫折によって心に深い傷を負い、無気力な生活を送るまま間もなく40歳を迎えようとしていた。一方、香川にあるみのりの実家には不審な手紙が届き、それをきっかけにみのりは祖父・清美の過去を、甥である中学生・陸とともに紐解いていくことになる……。片足の祖父、不登校の甥、大切な人を失ったみのり。絶望に慣れた毎日が、1通の手紙から動き出す。慟哭と感動の傑作長編。

【著者プロフィール】

1967年、神奈川県生まれ。1990年「幸福な遊戯」で「第9回海燕新人文学賞」を受賞しデビュー。1996年『まどろむ夜のUFO』で「第18回野間文芸新人賞」、1998年『ぼくはきみのおにいさん』で「第13回坪田譲治文学賞」を受賞。1998年発表の『キッドナップ・ツアー』は1999年に「第46回産経児童出版文化賞」フジテレビ賞、2000年に「第22回路傍の石文学賞」を受賞した。2003年に『空中庭園』で「第3回婦人公論文芸賞」、2005年『対岸の彼女』で「第132回直木賞」を受賞している。以降も2006年 「ロック母」で「第32回川端康成文学賞、2007年『八日目の蝉』で「第2回中央公論文芸賞」、2011年『ツリーハウス』で「第22回伊藤整文学賞」、2012年には『かなたの子』で「第40回泉鏡花文学賞」及び『紙の月』で「第25回柴田錬三郎賞」、2014年『私のなかの彼女』で「第2回河合隼雄物語賞」、2021年『源氏物語』の完全新訳で「第72回読売文学賞」研究・翻訳賞を受賞している。その他の著書に『月と雷』『坂の途中の家』『拳の先』『私はあなたの記憶のなかに』『銀の夜』など。

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