『人でなしの櫻』(遠田潤子) 講談社
 発売:2022年03月30日 価格:1,760円(税込)

しがない日本画家の竹井清秀は、妻子を同時に喪ってから生きた人間を描けず、「死体画家」と揶揄されていた。ある晩、急な電話に駆けつけると、長らく絶縁したままの天才料理人の父、康則の遺体があり、全裸で震える少女、蓮子がいた。11年にわたり父が密かに匿っていたのだ。清秀は激しい嫌悪を覚える一方で、どうしようもなく蓮子に惹かれていく。圧倒的な文章力で、人間の業の極限に挑んだ、衝撃の問題作!!

【著者プロフィール】

1966年、大阪府生まれ。2009年『月桃夜』で「第21回日本ファンタジーノベル大賞」を受賞しデビュー。2016年に文庫化された『雪の鉄樹 The Cycad in snow』が本の雑誌増刊『おすすめ文庫王国2017』第1位となり大きな注目を集める。2020年には『銀花の蔵』が「第163回直木賞」の候補作となった。主な作品に『アンチェルの蝶』『冬雷』『オブリヴィオン』『ドライブインまほろば』『廃墟の白墨』、近著に『緑陰深きところ』など。

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