突然ですが、最近読んだビジネス書を紹介するコーナーです。
「最近読んだ」と書きましたが、2017年刊行。5年前ですが、まったく古くならない仕事のノウハウが、数々のエピソード(どのエピソードも生々しい)と共に収められた一冊です。
「文春砲」――それは、芸能人、政治家、スポーツ選手などの問題行動などをスクープし、あっという間に対象や関係者を激しく燃え上がらせる『週刊文春』の記事のこと。なぜ『週刊文春』だけが、それほどまでに強力な「文春砲」を放つことができているのか、その舞台裏を、編集長自らが、惜しげもなく公開しています。読んで興奮しました。
目次は、次の通り。
第1章 全てのビジネスは「人」から始まる―情報/人脈
第2章 予定調和はおもしろさの敵である―企画/発想
第3章 難攻不落の相手から「YES」を引き出す―依頼/交渉
第4章 ヒットを生み続けるチームはこう作る―組織/統率
第5章 リスクを恐れず壁を突破する―決断/覚悟
第6章 「売れない」時代のマーケティング―戦略/本質
思ったのは、まるでドラマで見るFBIや刑事みたいだなということ。あらゆる手段を使って目的を達成する工夫と、粘り強さがすごい。
ターゲットが通っているカラオケ店に、自分も通って仲良くなってから、実は記者だと切り出したり、ネタ元となる人との人脈作りのコツ、証拠集めの方法、協力してもらうための交渉術、やり遂げるための行動規範など、刑事ドラマを見ているようでした。
後半は『週刊文春』の編集部がパフォーマンスを最大に発揮できるように、著者が考えて行っていること。フェアであることや、リーダーとして心がけている態度などが示されていて、こういう組織だから次々と「文春砲」を放つことができるのかと合点がいきました。
週刊誌の記事について、よいイメージを持っていない人も多いとは思いますが、普通の会社員として仕事をする上でも大いに役立つ内容。「親しき仲にもスキャンダル」「辛い時期こそフルスイング」など名言もたくさん。もし、ネタをリークするようなことがあったら、まずは文春に送ろうと思うような、そんな一冊。