69歳大型新人が「食」を通して描く傑作家族小説『やっかいな食卓』

外交官だった夫と死に別れ、同居していた独身の長男も突然の事故で喪ったものの、得意の料理を楽しみながら気ままにひとりの日々を過ごしていた高畠凛子に、次男の健から同居の誘いがかかる。一方、フードスタイリストとして働く健の妻・ユキは、相性最悪と自認している義母との同居に気が重くなる。苦し紛れにまとめ上げた折衷案は「一緒に住むけれど、食卓は別々」。ひとつ屋根の下に暮らし始めた４人に早速、「やっかいな」事件が勃発。ふたつの食卓は衝突しながら、徐々にその境界線を危うくしていくのだった……。