『曼陀羅華X』(古川日出男) 新潮社
 発売:2022年02月28日 価格:3,630円(税込)

自分たちは、この教えを、国教にするんですよ――1995年、地下鉄にサリンが撒かれ、教祖が逮捕される。だが、教団は公判直後に教祖を奪還、後の歴史は軋みながら軌道を変えた。「予言書」としてその筋書きを書いたのは、教団に拉致され姿を消した作家X。だがそこには、復讐というもうひとつのシナリオが埋め込まれていた。魂が共鳴する、当代随一の琵琶法師的現代文学。2年にわたって文芸誌『新潮』に連載された作品に再構築といえるほどの大幅な改稿を施して遂に単行本化!

【著者プロフィール】

1966年、福島県生まれ。1998年、長篇小説『13』でデビュー。2002年に『アラビアの夜の種族』で「第55回日本推理作家協会賞」と「第23回日本SF大賞」をダブル受賞。2006年には『LOVE』で「第19回三島由紀夫賞」を受賞。また2015年刊行の『女たち三百人の裏切りの書』は同年に「第37回野間文芸新人賞」と翌2016年に「第67回読売文学賞小説部門」をダブル受賞している。2016年刊行の池澤夏樹=個人編集「日本文学全集」第9巻『平家物語』の現代語全訳を手がけ、同書はを原作としたテレビアニメ『平家物語』が現在放送中。また2017年に刊行した『平家物語 犬王の巻』も劇場用アニメ『犬王』として今夏公開が予定されている。代表作に『サウンドトラック』『ベルカ、吠えないのか?』『聖家族』『馬たちよ、それでも光は無垢で』『南無ロックンロール二十一部経』、近著に『ゼロエフ』『おおきな森』など。

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