『夜のだれかの岸辺』(木村紅美) 講談社
 発売:2023年03月27日 価格:1,760円(税込)

「当時の私は大学にはゆかず浪人しているわけでもなく、漠然と、映画に係る仕事をしてみたい、と望んではいたものの、憧れる都心のミニシアターのバイトに応募しては履歴書で落とされていた。ひと月でおよそ九万円。家の食費も浮く。妥当な金額に思えた添い寝を、試してみることにした。」(本書より)19歳の春、茜は1回3000円で89歳の老女と添い寝をするというアルバイトをはじめた。風変わりなそのバイトを続ける中で茜は、地主の娘として育ったその老女の身の上を聞く……。

【著者プロフィール】

1976年、宮城県出身。2006年に『風化する女』で「第102回文學界新人賞」を受賞しデビュー。2022年に『あなたに安全な人』で「第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞」を受賞。その他の著書に、『月食の日』『夜の隅のアトリエ』『まっぷたつの先生』『雪子さんの足音』などがある。

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