『アイリス』(雛倉さりえ) 東京創元社
 発売:2023年05月19日 価格:1,760円(税込)

子役として映画『アイリス』に出演し、脚光を浴びた瞳介は、その後役者として成功できずに高校卒業前に芸能界をやめた。だが、映画で妹役を演じ、現在は女優として活躍する浮遊子との関係は絶てずにいる。『アイリス』の栄光が、彼を過去へと縛りつけていた。そしてそれは、監督の漆谷も同じだった。28歳で撮った『アイリス』は数々の賞を受賞したが、彼自身はどれだけ評価を得ても、デビュー作を超えられないという葛藤を抱えていた。ひとつの映画が変えた俳優と監督の未来。人生の絶頂の、その先の物語。

【著者プロフィール】

1995年、滋賀県生まれ。2012年に短編「ジェリー・フィッシュ」が「第11回女による女のためのR-18文学賞」の最終候補に選ばれる。2013年には同作を表題とした単行本を刊行し、映画化もされている。その他の著書に『ジゼルの叫び』『もう二度と食べることのない果実の味を』、近著に『森をひらいて』がある。

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