『可燃物』(米澤穂信) 文藝春秋
 発売:2023年07月25日 価格:1,870円(税込)

余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。群馬県警を舞台に、著者初の警察ミステリ登場! 太田市南部の住宅街で連続して起きた可燃ゴミの小火騒ぎ。警察は放火の疑いで捜査を始めるが容疑者を絞り込むことができない。月曜から木曜にかけて3件連続して放火が起きているが、その後ぴたりと犯行が止む。犯人の動機は何か? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰るかに見えたが……。(「可燃物」)突然中断した連続放火事件の謎を追う表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。

【著者プロフィール】

1978年、岐阜県生まれ。「第5回角川学園小説大賞」ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し2001年に受賞作『氷菓』デビュー。2011年『折れた竜骨』で「第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)」、2014年『満願』で「第27回山本周五郎賞」を受賞。2021年の『黒牢城』は同年に「第12回山田風太郎賞」、本年「第166回直木賞」と「第22回本格ミステリ大賞」を受賞した。その他の作品に『さよなら妖精』『ボトルネック』『インシテミル』『王とサーカス』『いまさら翼と言われても』『Iの悲劇』『巴里マカロンの謎』『栞と嘘の季節』や、エッセイ集『米澤屋書店』などがある。

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