発売:2023年07月26日 価格:1,980円(税込)
都市再開発計画の名のもとに首都が7つのゾーンに区切られ、格差社会化が進む2032年の日本。独自に子ども狩りと人身売買の取材を続けていた記者の明海和は「カササギ」と名乗る人物に突き当たる。待ち合わせ場所に現れたのはまだ十代の男性であり、彼はこれ以上取材を続けると殺されると和に警告する。なぜ子どもたちの取材をすることが危険なのか? なぜ国際的なモデル都市でストリートチルドレンが生まれるのか? 和は、自身の父親も“闇の子どもたち”の取材をしていたことを明かすが……。ジュブナイル小説の名手が格差社会の闇に切り込むディストピア長編。
【著者プロフィール】
1954年、岡山県生まれ。同人活動を経て1991年に『ほたる館物語』でデビュー。1996年からはじまった『バッテリー』はのべ1000万部を超える大ヒットシリーズとなり、1997年に「第35回野間児童文芸賞」、1999年に『バッテリーII』で「第39回日本児童文学者協会賞」、2005年にはシリーズで「第54回小学館児童出版文化賞」を受賞。また2011年には『たまゆら』で「第18回島清恋愛文学賞」を受賞している。「NO.6」シリーズ、「The MANZAI」シリーズ、「弥勒」シリーズ、「闇医者おゑん秘録帖」シリーズなど著書多数。近著に『光のしるべ えにし屋春秋』『渦の中へ』などがある。