発売:2023年08月21日 価格:1,760円(税込)
1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピュータ・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連のサイバネティクス研究所で活躍することを目指す。だがソ連は崩壊しエストニアは独立、ラウリは時代の波に翻弄されていく。ラウリの行方を追う「わたし」の視点で、人生のかけがえのなさを描き出す物語。
【著者プロフィール】
1979年、東京都生まれ。2010年に「第1回創元SF短編賞」で選考委員特別賞(山田正紀賞)を受賞しデビュー。受賞作を表題とした連作短編集『盤上の夜』を2012年に刊行。同書は直木賞候補となり、「第33回日本SF大賞」を受賞した。2013年には「第6回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」、『ヨハネスブルグの天使たち』で「第34回日本SF大賞」特別賞を、2017年には『彼女がエスパーだったころ』で「第38回吉川英治文学新人賞」、『カブールの園』で「第30回三島由紀夫賞」を、2018年には『あとは野となれ大和撫子』で「第49回星雲賞(日本長編部門)」を、2020年には『遠い他国でひょんと死ぬるや』で「第70回芸術選奨文部科学大臣新人賞」を受賞しているほか、芥川賞候補に2度、直木賞候補に3度選ばれている。その他の著書に『ディレイ・エフェクト』『偶然の聖地』『黄色い夜』『かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖』などがある。