『うるさいこの音の全部』(高瀬隼子) 文藝春秋
 発売:2023年10月10日 価格:1,760円(税込)

ゲームセンターで働く長井朝陽の日常は、「早見有日」のペンネームで書いた小説が文学賞を受賞し出版されてから軋みはじめる。兼業作家であることが職場にバレて周囲の朝陽への接し方が微妙に変化し、それとともに執筆中の小説と現実の境界があいまいになっていき……職場や友人関係における繊細な心の動きを描く筆致がさえわたるサスペンスフルな表題作に、早見有日が芥川賞を受賞してからの顛末を描く「明日、ここは静か」を併録。

【著者プロフィール】

1988年、愛媛県生まれ。2019年に「犬のかたちをしているもの」で「第43回すばる文学賞」を受賞しデビュー。2021年の『水たまりで息をする』が芥川賞候補となり注目を集め、2022年に『おいしいごはんが食べられますように』で「第167回芥川賞」を受賞。近著に『いい子のあくび』がある。

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