『正しき地図の裏側より』(逢崎遊) 集英社
 発売:2024年02月26日 価格:1,870円(税込)

定時制高校に通いながら無職の父に代わり働く耕一郎は、ある冬、苦労して貯めた8万円が無くなっていたことに気づく。問い質すと、父は金を使ったことを悪びれもせずに認めた上、予想を超える衝撃の言葉を言い放った。衝動的に父を殴り飛ばした耕一郎は、雪の中に倒れた父を放置して故郷を逃げるように去る。しかし、逃亡生活は厳しくなる一方。遂に金が底をつき、すべてを諦めようとしたそのとき、公園の隅、小さなホームレスの溜まり場から、ひとつの手が差し伸べられる。――社会から切り離される圧倒的な絶望と、心と心が深く繋がるやさしさを描いた、25歳の若き著者による感動のデビュー作。

【著者プロフィール】

1998年、沖縄県生まれ。2023年に「第36回小説すばる新人賞」を受賞し、受賞作となる本書でデビュー。

(Visited 61 times, 1 visits today)