発売:2024年04月15日 価格:1,870円(税込)
横浜に本社を置くオオクニフーズの相模原支社に勤務する藤沢彩は、子どもの頃から自分の感情や思考を言葉にするのが苦手だ。その性格もあり引っ込み思案で人との付き合いも苦手な彩だったが、仕事のことで思い悩んでいた時に声をかけてきた一年先輩の同僚社員・田中心葉に次第に惹かれていく。心葉と同期の佐藤千暁とも次第に交流ができ、三人はそれぞれ十年後も二十年後も一緒にいたいと願うようになっていた。そんなある日、心葉が会社の朝礼で、何の前置きもなく「ぼくは人を殺したことがあります」と発言したことで、絆は揺らぐ。そして千暁にも、兄が殺された被害者遺族という人に言えなかった過去があった……。
【著者プロフィール】
1978年生まれ。2010年に「第43回メフィスト賞」を受賞し、受賞作『キョウカンカク』(文庫化に際し『キョウカンカク 美しき夜に』に改題)でデビュー。音が見える探偵・音宮美夜を描いた同作はシリーズ化され、4作が発表されている。2023年に『謎解き広報課』が「第18回酒飲み書店員大賞」を受賞。その他の著書に「セシューズ・ハイ」シリーズ、「仲田」シリーズ、「境内ではお静かに」シリーズ、『葬式組曲』『リーマン、教祖に挑む!』(単行本時タイトル『もう教祖しかない!』)、『罪びとの手』『Ghost ぼくの初恋が消えるまで』『拝啓交換殺人の候』、近著に『少女が最後に見た蛍』『彼女はひとり闇の中』などがある。