伊波真人が、毎回ゲストをお迎えして、聞いてみたいことを聞いてみる、この企画。

第4回のゲストは、以前から伊波との交流もある、『体育会系探偵部タイタン!』や、話題作『さよならの向う側』などの作者である、小説家の清水晴木さんです。

清水晴木さん

伊波:清水さんとは、僕が青南さん(第1回のゲストの佐藤青南さん)と野球を観に行ったときに清水さんも来られていて、そこではじめてお会いしたんでしたね。あれは、2年前でしたっけ?

清水晴木(以下、清水):そうですね。

伊波:先週は、清水さんに声をかけていただいて、清水さんと何人かで東京駅から東京タワーまで、歩きに行きましたね。

清水:満月の夜の散歩会ということで、満月の夜に歩きました。

映画の脚本から小説の執筆へ

伊波:清水さんは、最初は映画の脚本を書かれていたんですよね。

清水:短編映画の脚本をやらせてもらったりしていました。もともと映画がとても好きで、大学生時代は過去のいろんな名作を観ていましたね。そんな感じで、脚本家の道へ行きました。

伊波:どこかで、脚本の勉強はしたのですか?

清水:大学に行きながら、シナリオセンターに通っていました。

伊波:僕も映画制作から創作をはじめたので、清水さんと似た部分を感じます。

清水:僕の場合、映画のなかでも脚本を選んだのは、本を読んでいたというのも影響していると思います。

伊波:どういう本を読んでいたのですか?

清水:伊坂幸太郎さんとか東野圭吾さんとか石田衣良さんとか金城一紀さんの小説を読んでいました。自分と状況が近い青春小説が好きで、よく読んでいました。

伊波:その後、『海の見える花屋フルールの事件記 ~秋山瑠璃は恋をしない~』で小説家デビューされますね。

清水:たまたま機会があって、書かせていただきました。1巻を出したときに、講談社の編集さんが地元の本屋さんで見つけてくれて、いいと思ってくれたようで連絡をくださって、講談社タイガさんで作品を出させてもらうようになりましたね。その後、KADOKAWAさんからも連絡があって、富士見L文庫さんからも出させていただきました。そこで、すごいヒット作というものをあまり出せていなくて、ちょっと勝負をかけたいという思いで、一回、本当に自分の書きたいものを突き詰めて書いたのが、『さよならの向う側』です。

地元・千葉を舞台にする理由

伊波:清水さんは、『星に願いを、君に祈りと傷を』や『緋紗子さんには、9つの秘密がある』など、地元である千葉を舞台にして作品を書かれることが多いですが、それは何故ですか?

清水:最初は、身近なことから書いてみようという気持ちで千葉を舞台にしていたのですが、書店に挨拶に行くと、地元を舞台している作品をとても喜んでくれるんですね。書店に喜んでもらうのとか地元の人に喜んでもらうのを見るのが、僕自身も嬉しいので、そのためにも千葉を舞台にして書きたいなと思うようになりました。

話題作『さよならの向う側』について

伊波:『さよならの向う側』は、亡くなった人が生きている人に会いに行けるというお話でしたが、どうしてそういう設定にしたのですか?

清水:もともと、命とかそういう部分を扱ったものを書きたいなというのが、ずっと頭のなかにあって、それをどうやって描いていこうかと思っていました。『さよならの向う側』の亡くなった人が生きている人に会いに行けるという設定には、自分が亡くなったことを知らない人にだけ会えるという条件があって。亡くなった人が会いに来てくれるみたいなことって、想像するけれど、実際にそういうことが起きていない理由は、亡くなったことを知っている人には会いに行けないということではないかと思ったんですよね。そういうルールがあるから、会いたいけど会えないのかなって。2、3年前に、祖母が亡くなったのですが、すごい優しいおばあちゃんで、おばあちゃんなら絶対に会いに来ると思うんですけど、そういう理由があるから会いに来られないのかなと、その設定を思いつきました。そして、それをストーリーのなかで描いたら、いいものになるかなと思いました。

今後について

伊波:今後は、どういう作品を書いていきたいですか?

清水:僕は映画もヒューマンドラマがずっと好きだったので、ヒューマンドラマのような温かさであったり、感動であったり、根底に何か救いのある作品を書きつづけたいと思っています。映像になったときに映えることを考えて、今までも作品を作ってきたので、映像としても、心にも残るようなものを作れたらいいなとも思っています。

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