『ブラックボックス』(砂川文次) 講談社
 発売:2022年01月26日 価格:1,705円(税込)

自衛隊を辞め、いまは自転車便メッセンジャーの仕事に就いているサクマ。昼間走る街並みやそこかしこにあるであろう倉庫やオフィス、夜の生活の営み、どれもこれもが明け透けに見えているようで見えない。張りぼての向こう側に広がっているかもしれない実相に触れることはできない。――自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。自問を繰り返しながら、今日も都内をひた走るサクマだったが……。去る1月19日に発表されたばかりの第166回芥川賞受賞作。

【著者プロフィール】

1990年、大阪府生まれ。2016年、「市街戦」で「第121回文學界新人賞」を受賞しデビュー。同作を含む単行本『戦場のレビヤタン』を2019年に上梓。そのほかの著書に『臆病な都市』『小隊』など。本作で「第166回芥川賞」受賞。

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