『我が産声を聞きに』(白石一文) 講談社
 発売:2021年07月07日 価格:1,815円(税込)

自分で選んで進んでいる人生のつもりでも、それは「選ばされている」だけかもしれない。そんな、「人の運命」の転がりを描き続ける著者の最新刊は、コロナ禍の現代を背景に、男と女としての結びつきを失った一組の夫婦の物語だ。肺がんを患い、好きな人と暮らしながら治療を受けると家を出た夫・良治。呆然とする妻・名香子を翻弄するように、運命はそれまで思いもしなかった方向へ彼女を押し流していく。

【著者プロフィール】

1958年、福岡県生まれ。2000年『一瞬の光』でデビュー。2009年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で「第22回山本周五郎賞」、2010年『ほかならぬ人へ』で「第142回直木賞」を受賞。近著に『ファウンテンブルーの魔人たち』『君がいないと小説は書けない』『プラスチックの祈り』『記憶の渚にて』など。

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