『なんとかしなくちゃ。 青雲編』(恩田陸) 文藝春秋
 発売:2022年11月07日 価格:1,980円(税込)

これは、梯結子の問題解決及びその調達人生の記録である。――大阪で代々続く海産物問屋の息子と、東京の老舗和菓子屋の娘という商家の出の両親のもと、4人きょうだいの末っ子として生まれた梯結子。環境にも磨かれた観察眼で周囲を見つめ、弱冠4歳にして世の中には「キモチワルイ」ことが多すぎると達観する彼女は、父からは「おもろい子やなー。才能あるなー。なんの才能かまだよう分からんけど」と言われ、「商売でもいけるけど、商売にとどまらない、えらいおっきいこと、やりそうや」と祖母に期待されていた。その彼女の融通無碍な人生が、いまここに始まる――。

【著者プロフィール】

1964年、青森県生まれ。1992年、前年の「第3回日本ファンタジーノベル大賞」最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年に『夜のピクニック』で「第26回吉川英治文学新人賞」と「第2回本屋大賞」、2006年には『ユージニア』で「第59回日本推理作家協会賞」、2007年には『中庭の出来事』で「第20回山本周五郎賞」をそれぞれ受賞。2017年に『蜜蜂と遠雷』で「第156回直木賞」と、2度めとなる「第14回本屋大賞」を受賞した。その他の作品に『スキマワラシ』『灰の劇場』『薔薇の中の蛇』『愚かな薔薇』『月曜日は水玉の犬』(エッセイ集)などがある。

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