『明智卿死体検分』(小森収) 東京創元社
 発売:2022年12月26日 価格:1,760円(税込)

その男は、四阿いっぱいの雪に埋もれて凍死していた。この異常な状況は、おそらく魔術によるものだ──それも上級魔術師の。菊の御料所で発生した不可能犯罪を調査するのは、権刑部卿・明智小壱郎光秀と、陰陽師・安倍天晴。調略に長けた軍人、毒見役の陰陽師、そして“タレント”を持つ近衛将曹ら、事件関係者はみな一癖も二癖もあり、なおかつ魔術を行使して人を殺めると相貌に顕われる証は誰にも気配がない。では、誰が、なぜ、そしてどうやって殺人を為し遂げたのか? ――『短編ミステリの二百年』で日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞を制した著者が、魔術が存在する“日の本”を舞台に贈る傑作本格ミステリ。

【著者プロフィール】

1958年、福岡県生まれ。演劇評論家、文芸書の編集者として活動するほか書評・ミステリ評論の分野でも精力的に活躍する。2022年には、3世紀にわたる短編ミステリの歴史を俯瞰したアンソロジー&評論書『短編ミステリの二百年』で「第75回日本推理作家協会賞」および「第22回本格ミステリ大賞」(ともに評論・研究部門)を受賞した。2003年に初の小説作品となる『終の棲家は海に臨んで』を発表。2014年には『土曜日の子ども』を刊行している。

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