『荒地の家族』(佐藤厚志) 新潮社
 発売:2023年01月19日 価格:1,870円(税込)

元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点か――。40歳の植木職人・坂井祐治は、あの災厄の2年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。第168回芥川賞候補作。

【著者プロフィール】

1982年、宮城県生まれ。2017年に「蛇沼」で「第49回新潮新人賞」を受賞しデビュー。2020年には「境界の円居」で「第3回仙台短編文学賞」大賞を受賞。2021年に単行本『象の皮膚』を刊行。

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