昨年末にスタートしたマンガ配信サービス「ステキコミック」。

「読者にとってもマンガ家にとっても、フェアで持続可能なサービス」をコンセプトに、スマホやPC・タブレット等で楽しめる新しいWEBコミックサイトとして注目を集めています。

オリジナル作品から人気の名作コミックまで、ラインナップも続々増加中。特にオリジナル作品には、小説投稿サイト「ステキブンゲイ」「ラノベストリート」との連動企画として生まれたフレッシュなコミカライズ作品も顔を揃えています。

今回は、昨年行われたラノベストリート「第一回マンガ原作大賞」で大賞に輝き、現在ステキコミックで大好評連載中の『悪役すぎる令嬢と、めちゃキモ!?人魚王子』(漫画/小池菓しおり)の原作を務めるゆいレギナさんにお話を伺ってみました。

とある事情で王子との婚約が破談となってしまった令嬢。ようやく見つかった伴侶候補は、なんと人魚の王子!? という異種族ラブコメディの創作秘話をお楽しみください!

「ありのままの自分で前向きに生きていこう! きっとこの世のどこかに受け入れてくれる場所があるはずだよ」というのが主題の作品ですね

――まず最初に、この作品の原作『婚約破棄された行き遅れ令嬢ですが、ようやく舞い込んだ次の縁談相手がワケあり人魚の王子様でした』がどのような作品か、内容をお教えいただけますでしょうか。

タイトルままのようなお話でした!

誰にもどうしようもない可哀想な理由で婚約破棄されてしまった行き遅れの令嬢ヴェロニカが、親交目的で異種族の人魚族のアトル王子と婚約するお話です。

よくあるテーマだと思いますが、「ありのままの自分で前向きに生きていこう! きっとこの世のどこかに受け入れてくれる場所があるはずだよ」というのが主題の作品ですね。

――作品が生まれたきっかけを教えていただけますでしょうか。

この作品を書いた当初(2020年冬くらいだったと思うのですが……)は「婚約破棄」「ざまぁ」がウェブ小説ブーム絶頂の時期だったのですが、冤罪などではなく「誰も悪くない、いい人しかいない場合はどうなるんだろう?」と話を膨らませていってできた作品です。

あとは当時、自分の中で「人魚がアツい」「オタク男がアツい」「オネエがアツい」といった捻じれたリズムのマイブームをこれでもかとぶち込んでいったら、こんな作品ができあがりました。

……実は、キャラクターの構想元はとあるアプリゲームから連想させていったのですが、何のゲームかは上記の文章からお察しください。

本作一の『大人』ということで、ウジウジしがちな主人公やヒーローを導いてくれるようなお助けキャラ

――登場キャラクターをご紹介ください。また推しキャラは誰ですか?

物語の発端はこの4人です。

ヴェロニカ=スーフェン
本作の主人公(ヒロイン)です。本人に何の落ち度もない設定にしたかったので、私の作品ではとても珍しい、まじめないい子主人公になりました。あと読む人に感情移入してもらいたかったので、あえて個性は控えめにしてあります。でも実は……な趣味があったり、作品を読み進めてもらうたびに奥行きのあるキャラになったかと思っています。
アトクルィタイ=モーリ=ヒポカンタス(アトル)
本作ヒーローの人魚王子です。登場いきなりオタク言語で主人公をドン引きさせてますが、それは仮の姿。根はまじめで一生懸命で健気な年下少年です。人魚の中でもタツノオトシゴがモチーフなのですが、タツノオトシゴって、メスが産んだ卵をオスが命がけでずーっと守る種族らしいんですよね。そんな献身さをじわじわと感じていただければと思います。
ミハエル=ダイアモンド
ザ・王子様。王子という立場とヴェロニカの婚約者という立場で葛藤している人です。決してアホな女に騙されて「おれは真実の愛に気が付いたんだあああ!」というタイプではありません。ただただ、幼少期から作品の終盤までず~~っと彼の気苦労は耐えない不憫枠ではあります。苦労症の男性キャラっていいですよね?
瘴気戦争の最前線で戦う王子と、浄化の力を持った転生聖女として国を守りきった2人。しかしそのせいでリカは瘴気に侵され生命の危機に陥ってしまった!
リカ=タチバナ
十代後半の日本から転生してきた明るく元気で、ちょっと思い込みが激しい女の子です。お話が変われば、主人公になるような子。序盤に起きる「婚約破棄」イベントの原因でもあるので、一般的な「悪役令嬢」作品では敵キャラとしてポジショニングされてしまうため、とにかく読者のヘイトを稼がないように気を付けました。

私の推し? そりゃあ断然、アトルの従者であるマルス(マルスコーイ)です!!

オネエです。オネエ。そして本作一の『大人』ということで、ウジウジしがちな主人公やヒーローを導いてくれるようなお助けキャラとして配置しています。

最初はヴェロニカに敵意を向けてくる敵キャラムーブしてますけどね。そこから口は悪いけど実は……な王道手のひら返し、いいですよね。私は好きです。

あと、女装を解いたら超絶イケメンは外せない。

漫画ではまだ先の展開になるので、そのシーンが今から楽しみです。

麗しのオネエ、マルスコーイ=プリリーク=ピコドゥルス。

――この作品が「第一回マンガ原作大賞」を受賞して、現在『悪役すぎる令嬢と、めちゃキモ!?人魚王子』としてコミカライズされているわけですが、コミック化に際しての要望や編集部と相談した部分などはありましたか。

私から要望を出した点は特になかったかと思います。

序盤の伏線部分だけ、漫画だとどうしますか? くらいなものでしょうか。

不安だった点は、タイトルが大きく変更になったことですね。「めちゃキモ」はどうなのだろうかと(笑)。

かなり挑戦的になったなぁとは思っています。

私はこんなシーンを本当に書いたのかと小説を見返しました。書いてました(笑)

――コミック版『悪役すぎる令嬢と、めちゃキモ!?人魚王子』の中でお気に入りのシーンや注目してほしいシーンがありましたらお教えください

第7話ですね。

初めて原稿を拝見した時、あまりに甘くて甘くて、私はこんなシーンを本当に書いたのかと小説を見返しました。書いてました(笑)。小池菓しおり先生に、本当に目を背けてしまいたくなるほどロマンチックに描いていただいたので、ぜひ苦いコーヒーをお手元に置きながら読んでいただきたいです!

第7話では人間のはずのヴェロニカが人魚に!? 彼女になにが……?

――原作者として、本作のおすすめポイントを教えてください。

異種族間の純愛ストーリーです!

ヴェロニカとアトルの二人には、様々な障害があります。

だけどシリアスのみならず、むしろ楽しくて甘いシーンの方が多い作品となっているかと思いますので、種族の違いや年齢の違い、今までの生活環境の違いなど、さまざまな違いを乗り越えて結ばれるヴェロニカとアトルの幸せな結婚までの物語を、どうぞお楽しみいただければと思います。

もっともっと甘く、そして画面映えするようなシーンが目白押しです!!

――これまで小説作品の書籍化やコミカライズなどで多数の作品を発表していますが、今後の活動についての目標などはありますか?

やっぱり……アニメ化ですかね。

もう少し手の届きそうなものでいえば、出版社さんにヒロインとヒーローの声優さんを起用していただいたPVを作ってもらうことが密かな目標だったりします。

ステキコミックさん、ぜひ本作でボイスコミックなどいかがですか?(笑)

――最後に読者に向けて、『悪役すぎる〜』の作品、そして小説家・ゆいレギナとしてメッセージをいただけますか。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

今後、本作はもっともっと甘く、そして画面映えするようなシーンが目白押しですので、ぜひ引き続き応援していただければ幸いでございます。

また、私ゆいレギナとしても、小説やマンガ原作など多方面にコツコツ活動を続けていきたい所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします!!

『悪役すぎる令嬢と、めちゃキモ!?人魚王子』あらすじ
1年前、妹のように大切に思う救国の聖女を救うため、自ら悪女を演じてジュエリア王国王太子・ミハエルの婚約者の座を捨てた宰相令嬢のヴェロニカ。しかし「王太子に捨てられた女」の肩書は意外に重くのしかかり、気づけばお見合い30連敗、ただの行き遅れ令嬢になってしまった。苦肉の策で父から提案されたのは海の異種族「人魚」の王子とのお見合いだった。現れた7歳も年下の美少年に思わず見惚れるヴェロニカ。しかし次の瞬間、ヴェロニカの耳に届く彼の「デュフ…」という奇妙な笑い声と、口元から覗く牙! えっ!? キモすぎるんですけど!!!

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著者プロフィール

ゆいレギナ

2022年に小説『100日後に死ぬ悪役令嬢は毎日がとても楽しい。』でデビュー。同作はコミカライズも行われている。最新作の『3分聖女の幸せぐーたら生活 生真面目次期公爵から「きみを愛することはない」と言われたので、ありがたく1日3分だけ奥さんやります。それ以外は自由!やっほい!!』に続き、4月には『「女王の靴」の新米配達人 しあわせを運ぶ機械人形』を発売予定。そのほか小説刊行、コミカライズの企画が多数進行中。

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