『未明の砦』(太田愛) KADOKAWA
 発売:2023年07月31日 価格:2,860円(税込)

その日、共謀罪による初めての容疑者が逮捕されようとしていた。動いたのは警視庁組織犯罪対策部。標的は、大手自動車メーカー・ユシマの若い4人の非正規工員。しかし突如発生した火災の混乱に乗じて4人は逃亡する。誰かが彼らに警察の動きを伝えたのだ。所轄の刑事・薮下は、この逮捕劇には裏があると読んで独自に捜査を開始。一方、散り散りに逃亡した4人は、すべての発端となった千葉県の笛ヶ浜を目指していた。共謀罪始動の真相を追う薮下。この国を超法規的な手段で一変させようと試みるキャリア官僚。心を病んだ友人を見舞い続ける日夏康章。怒りと欲望、信頼と打算、野心と矜持。それぞれの思いが交錯する。逃亡のさなか、4人が決意した最後の実力行使の手段とは――。

【著者プロフィール】

1964年、香川県出身。劇団で脚本担当を務めた後、映像作品に活動の場を移し、「ウルトラシリーズ」等の特撮作品、『相棒』シリーズなどを手掛ける。2012年に『犯罪者 クリミナル』で小説家デビュー(文庫化に際し『犯罪者』に改題)。小説第2作である『幻夏』は「第67回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)」の候補となった。その他の著書に『天上の葦』『彼らは世界にはなればなれに立っている』がある。

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