『シャーロック・ホームズの凱旋』(森見登美彦) 中央公論新社
 発売:2024年01月22日 価格:1,980円(税込)

この手記は脱出不可能の迷宮と化した舞台裏からの報告書である。いつの間にか迷いこんだその舞台裏において、私たちはかつて経験したことのない「非探偵小説的な冒険」を強いられることになったわけだが、世の人々がその冒険について知ることはなかった。スランプに陥ってからというもの、シャーロック・ホームズは世間的には死んだも同然であり、それはこの私、ジョン・H・ワトソンにしても同様だったからである。シャーロック・ホームズの沈黙は、ジョン・H・ワトソンの沈黙でもあった。(本文より)――舞台はヴィクトリア朝京都。洛中洛外に名を轟かせた名探偵ホームズが……まさかの大スランプ!? 謎が謎を呼ぶ痛快無比な森見劇場、ついに開幕!

【著者プロフィール】

1979年、奈良県生まれ。2003年に『太陽の塔』で「第15回日本ファンタジーノベル大賞」を受賞してデビュー。2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で「第20回山本周五郎賞」を受賞したほか、2010年に『ペンギン・ハイウェイ』で「第31回日本SF大賞」、2014年には『聖なる怠け者の冒険』で「第2回京都本大賞」、2017年に『夜行』で「第7回広島本大賞」、2019年『熱帯』で「第6回高校生直木賞」を受賞している。その他の著書に『四畳半神話大系』「有頂天家族」シリーズ、『郵便少年』『聖なる怠け者の冒険』『四畳半タイムマシンブルース』などがある。

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