『有罪、とAIは告げた』(中山七里) 小学館
 発売:2024年02月14日 価格:1,760円(税込)

東京地方裁判所の新人裁判官・高遠寺円は、日々の業務に忙殺されていた。公判、証人尋問、証拠や鑑定書の読み込み、判例等の抽出、判決文作成と徹夜が続く。ある日、東京高裁総括判事の寺脇に呼び出された円は、中国から提供された「AI裁判官」を検証するという任務を命じられる。〈法神2〉と名付けられたその筐体に過去の裁判記録を入力すると、一瞬で作成した判決文は、裁判官が苦労して書き上げたものと遜色なく、判決もまた、全く同じものだった。業務の目覚ましい効率化は、全国の裁判官の福音となったが、円は周囲が絶賛すればするほどAI裁判官に対する警戒心が増す。――目前に迫るあり得る未来に、人間としての倫理と本質を問う法廷ミステリー。

【著者プロフィール】

1961年、岐阜県生まれ。2009年に「第8回このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、翌2010年に受賞作『さよならドビュッシー』でデビュー。同作は2013年に映画化もされ、今なお続く人気シリーズとして2023年には最新作『いまこそガーシュウィン』が刊行された。『贖罪の奏鳴曲』からはじまる弁護士・御子柴礼司を主人公としたリーガルサスペンスシリーズ、『切り裂きジャックの告白』からはじまる人気キャラクターの刑事・犬養隼人シリーズなど、膨大な著作を持ち、デビュー10周年となった2020年には12か月連続の単行本新作刊行を実現した。近著に『特殊清掃人』『祝祭のハングマン』『殺戮の狂詩曲』『能面検事の死闘』『こちら空港警察』『絡新婦の糸 警視庁サイバー犯罪対策課』『彷徨う者たち』などがある。

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