『方舟を燃やす』(角田光代) 新潮社
 発売:2024年02月29日 価格:1,980円(税込)

口さけ女はいなかった。恐怖の大王は来なかった。噂はぜんぶデマだった。一方で大災害が町を破壊し、疫病が流行し、今も戦争が起き続けている。何でもいいから何かを信じないと、今日をやり過ごすことが出来ないよ――。飛馬と不三子、縁もゆかりもなかった二人の昭和平成コロナ禍を描き、「信じる」ことの意味を問いかける傑作長篇。

【著者プロフィール】

1967年、神奈川県生まれ。1990年「幸福な遊戯」で「第9回海燕新人文学賞」を受賞しデビュー。1996年『まどろむ夜のUFO』で「第18回野間文芸新人賞」、1998年『ぼくはきみのおにいさん』で「第13回坪田譲治文学賞」を受賞。1998年発表の『キッドナップ・ツアー』は1999年に「第46回産経児童出版文化賞」フジテレビ賞、2000年に「第22回路傍の石文学賞」を受賞した。2003年に『空中庭園』で「第3回婦人公論文芸賞」、2005年『対岸の彼女』で「第132回直木賞」を受賞している。以降も2006年 「ロック母」で「第32回川端康成文学賞」、2007年『八日目の蝉』で「第2回中央公論文芸賞」、2011年『ツリーハウス』で「第22回伊藤整文学賞」、2012年には『かなたの子』で「第40回泉鏡花文学賞」及び『紙の月』で「第25回柴田錬三郎賞」、2014年『私のなかの彼女』で「第2回河合隼雄物語賞」、2021年『源氏物語』の完全新訳で「第72回読売文学賞」研究・翻訳賞を受賞している。小説近著に『銀の夜』『タラント』『ゆうべの食卓』などがある。

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