『しをかくうま』(九段理江) 文藝春秋
 発売:2024年03月12日 価格:1,650円(税込)

太古の時代。「乗れ!」という声に導かれて人が初めて馬に乗った日から、驚異の物語は始まる。この出逢いによって人は限りなく遠くまで移動できるようになった――人間を“今のような人間”にしたのは馬なのだ。しかしいつしか人は己だけが賢い動物であるとの妄想に囚われてしまった。現代で競馬実況を生業とする、馬を愛する「わたし」は、人類と馬との関係を取り戻すため、そして愛する牝馬<しをかくうま>号に近づくため、両者に起こったあらゆる歴史を学ぼうと「これまで存在したすべての牡馬」たる男を訪ねるのだった――。

【著者プロフィール】

1990年、埼玉県生まれ。2021年に「悪い音楽」で「第126回文學界新人賞」を受賞しデビュー。同作と、同年に発表され芥川賞候補となった「Schoolgirl」を表題とした単行本を2022年に刊行。2023年に同書で「芸術選奨新人賞」を受賞している。また同年雑誌発表の本作で「第45回野間文芸新人賞」を受賞。続く『東京都同情塔』で、2024年に「第170回芥川賞」を受賞した。

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