『僕たちの保存』(長嶋有) 文藝春秋
 発売:2024年09月25日 価格:1,870円(税込)

語り手“ゲンさん”「胃袋だけは十年前と同じで老けてないのかな」、年上の友人・武上さん「クラウドってのは、なんなの。なんか、たまに聞くけど」、その引きこもりの甥シンスケ「昭和のオタクは、足だけは丈夫なんです」、人気漫画家の亀谷さん「すごくいい話ですね」――新幹線、自転車、バス、テスラに乗って、おかしな一行は旅に出る。震災被害者の形見のMSXパソコンが過去と現在をつなぎ、思いもよらぬ光が未来を照らす。イーロン・マスクやホリエモンにはならなかった、あのとき無数にいた「僕たち」の物語。

【著者プロフィール】

1972年、埼玉県生まれ。2001年に「第92回文學界新人賞」を受賞し、受賞作『サイドカーに犬』で翌2002年にデビュー。同年『猛スピードで母は』で「第126回芥川賞」を受賞。2007年には『夕子ちゃんの近道』で「第1回大江健三郎賞」、2016年『三の隣は五号室』で「第52回谷崎潤一郎賞」も受賞している。その他の著書に『佐渡の三人』『もう生まれたくない』『私に付け足されるもの』『今も未来も変わらない』『ルーティーンズ』、近著に『トゥデイズ』などがある。

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