『代替伴侶』(白石一文) 筑摩書房
 発売:2024年10月15日 価格:1,870円(税込)

不妊に悩んでいた隼人とゆとりの夫婦だったが、ゆとりは他の男性の子供を宿し、隼人の元を去ってしまう。ゆとりを失うことを耐えかねた隼人は、人権救済委員会に申請し、ゆとりの記憶や内面を複写された代替伴侶と生活を共にすることになる。やがて今度は隼人が代替のゆとりの元を去ることになると、彼女は隼人の代替伴侶を申請し、新たな暮らしを始めた。破綻した夫婦の「代替」同士の営み――あり得たかもしれない愛の暮らしを見た隼人は……。かつての伴侶を複写した代替伴侶が期限付きで貸与される「代替伴侶法」が施行された近未来を舞台に、「愛の本質」を問い続ける名手が贈る、衝撃の物語。

【著者プロフィール】

1958年、福岡県生まれ。2000年に『一瞬の光』でデビュー。2009年に『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で「第22回山本周五郎賞」、2010年に『ほかならぬ人へ』で「第142回直木賞」を受賞。その他の著書に『不自由な心』『すぐそばの彼方』『僕のなかの壊れていない部分』『どれくらいの愛情』『翼』『火口のふたり』『記憶の渚にて』『光のない海』『一億円のさようなら』『プラスチックの祈り』『ファウンテンブルーの魔人たち』『我が産声を聞きに』『道』『松雪先生は空を飛んだ』『投身』、近著に『Timer 世界の秘密と光の見つけ方』『かさなりあう人へ』などがある。

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