『だめになった僕』(井上荒野) 小学館
 発売:2024年10月16日 価格:1,870円(税込)

信州でペンション経営兼漫画家として活躍する音村綾。30代なかばで夫・子ども・母と四人で暮している。物語は、彼女のコミック発売記念サイン会で起こった衝撃的事件から始まり、「1年前」「4年前」「8年前」「10年前」「12年前」「14年前」、そして彼女が祥川涼と出会った「16年前」へと時をさかのぼり、「現在」に戻る。謎とサスペンス、そしてストーカー小説の雰囲気をも交えた〈究極の恋愛小説〉である。2001年に刊行された『もう切るわ』以来、23年ぶりの「書き下ろし」長篇!

【著者プロフィール】

1961年、東京都生まれ。1989年、「わたしのヌレエフ」で「第1回フェミナ賞」を受賞し、1991年に短編集『グラジオラスの耳』を発表するが、体調不良により活動を中断。2001年に『もう切るわ』で活動再開後、2004年に『潤一』で「第11回島清恋愛文学賞」を受賞し、2008年には『切羽へ』で「第139回直木賞」を受賞。その後も2011年『そこへ行くな』で「第6回中央公論文芸賞」、2016年に『赤へ』で「第29回柴田錬三郎賞」、2018年に『その話は今日はやめておきましょう』で「第35回織田作之助賞」を受賞している。その他の著書に2022年に映画化された『あちらにいる鬼』や、『百合中毒』『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』『小説家の一日』『僕の女を探しているんだ』『照子と瑠衣』、近著に『猛獣ども』『ホットプレートと震度四』『錠剤F』などがある。

(Visited 2 times, 1 visits today)