『Butterfly World 最後の六日間』(岡崎琢磨) 双葉社
 発売:2021年07月30日 価格:1,870円(税込)

蝶の翅を持った人型のアバター=バタフライとなって過ごせるVR空間『バタフライワールド』(BW)。主人公・アキも、世界的人気を誇るそのVRに魅了されている。現実世界ではひきこもりのアキも、BWでなら快活でいられるからだ。ある日、BWで知り合い行動を共にしているマヒトと一緒に、現実世界に戻らずBW内で生活し続ける人々が住む紅招館を訪ねたアキ。そこで、アバターへの非暴力が徹底されているはずのBWではあり得ない、住人の死体と遭遇してしまう……。仮想空間という特殊な環境下に本格ミステリのテイストを構築した意欲作だ。

【著者プロフィール】

1986年、福岡県生まれ。2011年の第10回『このミステリーがすごい! 』大賞最終候補作となり、編集部推薦の「隠し玉」として全面改稿された『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』で翌年デビュー。同書は2013年、「第1回京都本大賞」を受賞した。近著に『あなたのために綴る18の物語』『下北沢インディーズ』『夏を取り戻す』など。

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