『砂に埋もれる犬』(桐野夏生) 朝日新聞出版
 発売:2021年10月07日 価格:2,200円(税込)

小学校にも通わせてもらえず、日々の食事もままならない生活を送る優真。母親の亜紀は刹那的な欲望しか満たそうとせず、同棲相手の男に媚びるばかりだ。そんな最悪な環境のなか、優真が虐待を受けているのではないかと手を差し伸べるコンビニ店主が現れる――。ネグレクトによって家族からの愛を受けぬまま思春期を迎えた少年の魂は、どこへ向かうのか。予定調和を打ち砕く圧倒的リアリズムで、その乾いた心の在りようを物語に昇華させた傑作長編小説。ジャンルを超えて文芸界をリードする著者の新たな傑作がここに!

【著者プロフィール】

1951年、石川県出身。フリーライター、少女小説などを経て、1993年に「第39回江戸川乱歩賞」を受賞。受賞作『顔に降りかかる雨』を刊行しミステリ作家に転身。1998年に『OUT』で「第51回日本推理作家協会賞」を受賞。1999年には『柔らかな頬』で「第121回直木賞」を受賞する。その後も、2003年に『グロテスク』で「第31回泉鏡花文学賞」、2004年に『残虐記』で「第17回柴田錬三郎賞」、2005年に『魂萌え!』で「第5回婦人公論文芸賞」、2008年に『東京島』で「第44回谷崎潤一郎賞」、2009年に『女神記』で「第19回紫式部文学賞」をそれぞれ受賞。また2010年発表の『ナニカアル』は同年に「第17回島清恋愛文学賞」、翌2011年に「第62回読売文学賞」を受賞した。2015年には紫綬褒章を受章。近著に『インドラネット』『日没』など。

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