『ミシンと金魚』(永井みみ) 集英社
 発売:2022年02月04日 価格:1,540円(税込)

認知症を患うカケイは、「みっちゃん」たちから介護を受けて暮らしてきた。ある時、病院の帰りに「今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」と、みっちゃんのひとりから尋ねられ、カケイは来し方を語り始める。父から殴られ続け、カケイを産んですぐに死んだ母。お女郎だった継母からは毎日毎日薪で殴られた。兄の勧めで所帯を持つも、息子の健一郎が生まれてすぐに亭主は蒸発。カケイと健一郎、亭主の連れ子だったみのるは置き去りに。やがて、生活のために必死にミシンを踏み続けるカケイの腹が、だんだん膨らみだす。――ケアマネージャーとして働きながら執筆された著者渾身のデビュー作。

【著者プロフィール】

1965年、神奈川生まれ。本作で2021年「第45回すばる文学賞」を受賞しデビュー。

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