発売:2022年03月14日 価格:1,760円(税込)
関東のはずれの町に暮らす高校生、ワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、テンポ、リスキ。彼らはそれぞれに傷ついた少年少女たちだった。戦わないで自分自身の大切なものを守りたい、そんな思いから彼らが結成した「包帯クラブ」の活動を描き、映画化もされたベストセラー『包帯クラブ』。16年の時を経て、前作の終わりから物語が始まる待望の続編が登場した。人が傷ついた場所に包帯を巻く活動は、無理解や反発などを受け、自粛を余儀なくされる。しかし、ひっそりと会うなかでバンドを始める。バンドの発表の場を求めながら、別の形での包帯クラブの実現を試みる彼ら。本作では、未来の、成人した彼らの姿も交差して描かれる。自分たちのやり方で、自分を守り、大切な人たちを守ろうと踏み出す彼らの第二幕が開く。
【著者プロフィール】
1960年、愛媛県生れ。1986年に「白の家族」で「第13回野性時代新人文学賞」を受賞。映画の原作、脚本を手がけたのち、1993年に『孤独の歌声』が「第6回日本推理サスペンス大賞」優秀作となる。1996年に『家族狩り』で「第9回山本周五郎賞」を、2000年には『永遠の仔』で「第53回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)」を受賞。2009年に『悼む人』で「第140回直木賞」を受賞した。2013年には『歓喜の仔』で「第67回毎日出版文化賞」も受賞している。主な作品に『家族狩り』『あふれた愛』『静人日記』『ムーンナイト・ダイバー』『ペインレス』『巡礼の家』『迷子のままで』など。